「根保証契約」が大きく変わります
今年の4月1日から制度の改正・新設が続きました。例えば、個人情報保護法案やペイオフの全面解禁などがあげられます。なかでも今回は、一時期、世間をにぎわした「根保証」のルール改正についてふれてみます。
平成17年4月1日から「民法の一部を改正する法律」が施行されます。この法律によって、保証に関するルールが変わります。改正の主な内容は、下記にまとめていますが、「極度額を定める必要」や、「保証人が保証の責任を追う期間に制限がつけられた」点などです。
また、今回の改正は、平成17年4月1日以前の契約についても一部適用されるものもあります。「保証人」になって、人生が大きく変わる場合もあります。保証人としてはんこを押される前には、下記に紹介する知識は十二分に把握して対応しましょう。
改正法の要点
ある会社が金融機関から金銭の借入を将来にわたって継続的に行う場合に、会社の経営者やその親族・知人が、借り入れた金銭全部について返済を保証する契約を「根保証契約」といいます。このように継続的に発生する不特定の債務を保証する「根保証契約」のうち、融資に関する債務を保証の対象とするものであって、個人が保証人となっているものについて、次の1から3までの新たなルールが定められました。改正法の施行前に結ばれていた根保証契約には4つのルールが、また、すべての保証契約に5つのルールが、それぞれ定められています。
1. 極度額の定めがない根保証契約は無効となります
保証人が支払の責任を負う金額の上限となる極度額を定めない根保証契約は無効となります。したがって、保証人は根保証契約で極度額(限度額)を定めた場合にその範囲でのみ支払の責任を負うことになります。
2. 保証人が責任を負う融資の範囲に期間の制限(契約日から最長5年)が加えられます
保証人が支払の責任を負う範囲が確定する日を元本確定期日といいます。根保証をした保証人は、元本確定期日よりも前に行われた融資に限って責任を負うことになりますが、元本確定期日を契約で定める場合には契約日から5年以内の日を定めなければなりません。また、元本確定期日の定めがない場合には、契約日から3年後の日が元本確定期日となります。

3. 融資を受けた債務者への強制執行や、保証人の死亡など、一定の事実が生じた場合、その後に行われた融資について保証人は責任を負わないことになります
融資を受けた債務者または保証人が、
- 強制執行を受けた場合、
- 破産手続き開始の決定を受けた場合、
- 死亡した場合
には、根保証契約の元本が確定し、保証人(保証人が死亡した場合はその相続人)は、その後に行われた融資については責任を負わないことになります。

4. 改正法の施行より前に締結された根保証契約についても、施工後に行われた融資に関して保証人が責任を負う範囲が限定される場合があります
改正法の施行(平成17年4月1日)より前に締結された根保証契約は、極度額の定めがないものも無効にはなりませんが、改正法の施行後3年が経過しても元本が確定しないものは、3年を経過する日に自動的に元本が確定するものとし、その後に行われた融資について保証人は責任を負わないものとされています。
このように、改正法の施行より前に締結された根保証契約については、その内容に応じて、改正法の施行後3年または5年を経過する日に元本が確定するものとされています。この取り扱いを整理すると下の表のとおりとなります。

5. 書面によらない保証契約は無効になります
保証契約は、契約書などの書面によってしなければ無効になります。このルールは、融資に関する個人が保証人の根保証契約だけではなく、すべての保証契約に適用があります。
平成17年8月5日 船井財産コンサルタンツ京都 堀田

