贈与について考える [3] 相続時精算課税制度
平成15年度に「相続時精算課税制度」が創設され、船井レポート第1号のテーマとして取り上げました(参照:「相続時精算課税制度」について)。その当時、この制度の活用を中心としたセミナーや研修会が開催され、平成15年度確定申告時の贈与税の申告枚数が飛躍的に伸びたという実情をお伝えしました。
では現状はどうでしょうか?
制度として定着したのか、大きく取り上げられる機会もなくなってきたように思います。今回は、あらためて相続対策を練るうえで「相続時精算課税制度」の有効な活用方法を考えてみます。
まずこの制度を活用するとき、重要なポイントは次の2点です。
- 贈与した財産を贈与者の相続時に相続財産として加算して相続税額を計算しなければならない。
- 1度この制度を利用すると、通常の110万円控除の方法へ戻すことができない。
これら2点を核として十二分に検討して活用しなければ、「相続対策」にはなっても「相続税の対策」にはならない可能性があります。
相続税対策として考えた場合、この制度を利用して贈与した財産はその贈与時の評価額でもって贈与者の相続財産に加算しなければなりません(*1)。贈与者の相続が発生するであろう時期に今よりも確実に評価額が上がる財産でないと、相続税額が増加する結果になります。そのため相続税対策として活用する場合、慎重に考慮して実行していただくことが肝要です。
遺産分割の問題を重要視されるお客様には特に有効
私自身が考えるに、「相続時精算課税制度」の活用について有効な方法のひとつが
「被相続人の方がご自身の意思で通常の110万円控除よりも多くの財産を贈与し、相続発生時の無用なトラブルを回避する手段として活用する」
です。
それぞれのご家庭の事情から相続についての中心的課題は違うと思います。しかしながら、とりわけ遺産分割の問題を重要視されるお客様には大いに活用する価値のある制度ではないかと考えます。
ただし、相続税の納税という問題を度外視できませんので、顧問税理士の先生や専門家の方とよくご相談していただき、負担の少ないスムーズな相続の実現に向けて取り組んでいってください。
船井財産コンサルタンツ京都は新経営サービス清水税理士法人と連携して、お客様にとって最適なプランをご提案いたします。ぜひご相談ください。
*1 制度の内容については「相続時精算課税制度」についてをご覧ください。
平成18年8月10日 船井財産コンサルタンツ京都 堀田
関連記事:

