「京都の景観」と「高さ規制」
少し前の話になりますが、京都市は「京都の景観」を保全するために、市街地(約15,000ha)において高さ規制を強化することを発表しました(平成18年4月19日)。
区域全体の高さ規制は、この秋口にその方向性が決定されるようです。市内中心部については、今年度中に都市計画を決定して2007年度から規制を実施する予定です。
その市内中心部とは東西が堀川通,河原町通,南北が御池通,五条通に囲まれた地域をさします。この地域内では高さの最高限度が
- 幹線道路沿いの「田の字地区」が“45m⇒31m”
- それ以外の「職住共存地域」が“31m⇒15m”
にそれぞれ引き下げられます(ただし、すでに建っている建物については建替え時にこの規制を受けることになります)。
ただし、まだ完全に決定されたわけではなく、現行の規制の範囲内であれば建築可能です。しかしながら、すでに京都市の方針が出たこともあって、建築確認申請段階で京都市との駆引きがすでに始まっていると聞いています。
また、この秋に示される京都市の方針次第では、中心部以外の地域についても「高さ規制」が2007年度から実施される可能性を否定できません。
京都の不動産投資に影響も
先日も弊社のお客様のところへ土地活用のご相談におじゃまさせていただきました。
マンションの建築をご検討されている方なのですが、建築を実行に移すための周辺整備(借家の立退き問題,高齢のご両親の説得等)に時間がかかると予想されます。したがって、この秋の京都市の決定結果いかんでは、現状の高さ規制の範囲で検討している計画を根本的に考え直さざるを得ない可能性も出てきました。今後は、規制の前後をにらみ複数のプランで検討していく運びになりました。
不動産投資のような多額の資金を必要とする計画について、「規制」を受けるからという理由だけで進めていくものではないと思います。とはいえ、今後、京都市内で高層マンション等の建築をご検討されている方は、ライフプランや投資効率等を考え合わせたうえで、「高さ規制」の動向を注視して計画を進めていく必要があると思われます。
「観光都市・京都」というコンセプトを考えますと、「景観」は十二分に配慮すべき事情は、我々も理解できます。しかし、すでに建っている建物との整合性や、建替え時において発生すると注目されている「財産権の侵害」問題(*1)についての解決策はどうされるのでしょうか?
京都という特殊な地域で発生するこの問題を、我々自身も注視していきたいと思います。
平成18年9月18日 船井財産コンサルタンツ京都 堀田
*1「財産権の侵害」問題
次のようなケースが想定されます。
<事例>
Aさん 10階建分譲マンション(高さ30m)の10階に居住
↓
今回の高さ規制で「15m」に高さが規制される。
↓
建物の傷みが激しく建替えされることになる。が、・・・・・今回の高さ規制の影響で、5階建しか建てられない。としたら、
もしAさんが、この分譲マンションを売却したいと考えた場合、上記の様な状況の中で果たして売却先が見つかるのか?財産価値として評価できるのか?また、仮に住み続けたいと考えた場合であっても、建替えられれば半分の建物しか建たない。残りの半分の方の居住をどう確保するのか?
行政の規制が個人の財産に重要な影響を及ぼすことになるため、様々なところで議論されています。

