贈与について考える [4] 相続と贈与の関係
これまで3度にわたって贈与の活用について述べてまいりました。今回はお客様の現状分析から感じた贈与について考えてみます。
先日、あるお客様(以下、A様)のところへ現状分析の報告でおじゃましました。その際、財産の現状分析報告から相続の話へとひろがりはじめました。
A様はかなりの資産家で、ご自身であの手この手と対応されていました。私がお決まりのように生前贈与の活用についてふれたところ、A様から「毎年、贈与はしていますよ」との返事。さすがポイントは押さえていらっしゃるなと納得しましたが、同時にもう少し先を見越した贈与の活用をしていただければなあと思いました。
それはどういうことかと申しますと、「110万円控除」ぎりぎりの贈与をされている点です。これはA様だけでなく他のお客様にもあてはまります。
確かに制度上、相続税と比べますと、贈与税は財産の移転に対する税率が高く設定されています。つまり、あまり高額の贈与をしてしまうと贈与税負担がかなりの額になってしまいますので、計画的な贈与が求められます。
しかし、相続税・贈与税ともに累進課税という形を取っている日本の税制において、相続税の税率より低い税率の範囲内で贈与を積極的におこなえば、「納税資金対策」「遺産分割対策」にもつながります。
10%の税率であれば、毎年約310万円の贈与が可能です。税額は約20万円です(平成18年11月時点税制による)。
| 課税標準 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | - |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 3億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円超 | 50% | 4,700万円 |
| 基礎控除(110万円)後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | - |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,000万円超 | 50% | 225万円 |
例) 贈与額310万円であれば、税額は (310万円-110万円)×10%=20万円
適用:平成15年1月1日以後の相続・贈与について適用する。
注)早見表は 相続税又は贈与税の額×その枠の税率-控除額で算出できます。
「相続」を「争族」にしないために
将来の相続税の納税は資産家の方々にとって、大変重要な問題です。
そのためにも財産の現状分析を実施し、「もし今、自分にもしものことが起こったら.....」どうなるのかを、しっかりと把握していただき、「生前にやるべきことは何か」をもう一度お考えいただいてはどうでしょうか(遺産分割,遺言書の作成,生前贈与など)。
すべてを相続時に委ねるのではなく、今ご自身の意思で「相続」を「争族」にしないために積極的に「生前贈与」を活用してみてください。
次回からは「財産評価」についてレポートいたします。
平成18年11月30日 船井財産コンサルタンツ京都 堀田
税に関する詳細は、税理士等の専門家にお問合せ下さい。
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