株式会社船井財産コンサルタンツ京都

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平成20年住宅・土地統計調査より

総務省統計局は5年毎に住宅や土地の利用状況をまとめています。昨年の統計が速報集計として、発表されました(参照:平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の概要)。その中で、住宅の利用状況について、まとめてみました。

  • 1世帯あたりの住宅数は1.15戸
  • 人は都会に集まる
  • 総住宅の13.1%が空家
  • 共同住宅(マンション、アパート)の割合は上昇中
  • 全国の持ち家率は5年前と変わらず、60.9%
  • 借家・賃貸住宅から持ち家へ
  • 高齢者(65歳以上の世帯員)のいる世帯が3分の1を超えた
  • 高齢者の単身世帯(一人暮らし)が過去最高
  • 共同住宅に住む、高齢者のいる世帯の約5割がエレベーターのある住宅に住んでいる

■1世帯あたりの住宅数は1.15戸

平成20年10月1日現在
日本の総住宅戸数 5,759万戸
総世帯数 4,999万世帯
1世帯あたりの所有する住宅数 1.15戸

統計では、100世帯が115戸の家を所有しています。つまり、「家余り現象」が見て取れます。

■人は都会に集まる

三大都市圏(関東、中京、近畿)の住宅総戸数は3,010万戸、日本の住宅の52.3%が大都市圏に集中しています。関東大都市圏には全国の約30%の住宅があり突出しています。東京を中心とした大都市へ人が集まっている事実は統計でも示されたとおりです。

■総住宅の13.1%が空家

全国平均の空家率調査
  全国 三大都市圏 近畿
平成10年 11.5%
平成15年 12.2%
平成20年 13.1% 関東 11.3% 大阪府 約14.5%
中京 11.4% 京都府 約13.2%
近畿 13.8% 滋賀県 約12.7%

空家が年々増加している実態を示しています。三大都市圏では、近畿が全国平均を上回っています。近年、特に大阪府は、事業所数も減少し、空家に拍車をかけている状況です。全国の空家の内訳では賃貸住宅や賃貸マンションが54.1%と、半分以上は入居者を決められません。やはり「家余り現象」が顕著に表れているのです。

■共同住宅(マンション、アパート)の割合は上昇中

全国の住宅の種類
種類 現在 5年前の調査と比較
一戸建て 55.4% +5.9%
共同住宅(マンション、アパート) 41.7% +10.5%
その他(長屋等)

全国の住宅の種類は一戸建てが55.4%、共同住宅(マンション、アパート)が41.7%、その他は長屋等が占めています。5年前の調査から比べると、一戸建てが5.9%増加、共同住宅は10.5%増加です。マンション、アパートの増加がうかがえます。

共同住宅の地域別割合は、全国平均41.7%、三大都市圏全体は52.1%、半数以上が共同住宅です。関東56.4%、中京42.1%、近畿48.1%と全国平均を上回っています。平成16年以降に建築された住宅の50%以上が共同住宅という結果です。日本の住まいの形態が変化してきています。

■全国の持ち家率は5年前と変わらず、60.9%

三大都市圏の持ち家率は56.7%、それ以外の地域の持ち家率は65.7%です。都市部ほど持ち家率が低い傾向にあります。また、65歳以上の世帯の持ち家率が約80%である一方、40-44歳の持ち家率は50%超です。

やはり、年齢が高くなるにつれ、持ち家率が上昇する傾向は以前から変わりません。老後は家賃を心配しなくてよい持ち家に住みたい傾向の表れかもしれません。

■借家・賃貸住宅から持ち家へ

平成16年以降に持ち家を所有した世帯の60.9%は、元の住まいが借家・賃貸マンション、アパートでした。持ち家からの住み替えは22.7%に留まっています。 家賃と同じ程度の支払いで持ち家が持てる時代の表れと思われます。

住宅の広さは、1人あたり7.78畳(昭和53年の調査)だったのが、平成20年調査では12.87畳と広くなっています。30年の間に1世帯の1人あたりの住宅の広さが1.65倍増加しています。

■高齢者(65歳以上の世帯員)のいる世帯が3分の1を超えた

昭和58年では、高齢者のいる世帯は4分の1でした。平成20年では、3分の1を超えています(全世帯の36.7%)。また、75歳以上の世帯員がいる世帯は、5年前より17.3%増加しており、全世帯の18.8%を占めるまで上昇しました。急速に高齢化が進んでいる状況を示しています。

■高齢者の単身世帯(一人暮らし)が過去最高

高齢者のいる世帯の内訳は、高齢者夫婦世帯と高齢者単身世帯を合わせると50.8%と半数を超えています。5年前と比べて、高齢者単身世帯は2.1%増加(22.7%)、過去最高の占有率です。世帯の小規模化(高齢者夫婦世帯と高齢者単身世帯の増加)です。

■共同住宅に住む、高齢者のいる世帯の約5割がエレベーターのある住宅に住んでいる

共同住宅に住む、高齢者のいる世帯の48.4%は、エレベーター付き住宅に住んでいます。高齢者夫婦のみの世帯では52.9%がエレベーターのある共同住宅に住んでいます。社会全体の高齢化からすると、今後の共同住宅は、エレベーターが必要性がますます高まります。現在、高齢者のいる世帯で、高齢者対応型の共同住宅に住む世帯は、23.0%です。

将来的に高齢者に対応可能な共同住宅を建設するには

  • 道路から建物内までの高低差がある場合の傾斜路(スロープ)の設置
  • エレベーターの入り口幅が80cm以上で車椅子にも対応できる設備のあるものの設置
  • 共用廊下に段差がなく、廊下幅が1.4m以上ある事

など、車椅子への対応が必要になるでしょう。

平成16年以降に持ち家に住む世帯で高齢者の為に持ち家をリフォーム工事をした世帯は10%となっています。その中で高齢者のいる世帯では15.7%の世帯が工事をしています。工事の中で多いのはトイレを和式から洋式へ、次いで階段・廊下に手すりを設置、そして浴室の工事の順になっています。

今後、多くの世帯の住宅は高齢化への備えを求められるでしょう。

以上の集計結果を見てまいりますと、全国で「家余り現象」が出て来ており、人は都会に集まり、そして、世帯の高齢化、高齢者の単身世帯の増加が急速に進んでいる事が分かります。

これらの統計から、私たちは、これからの住宅や住居系の土地活用(賃貸マンション等)について、学ぶべき所があると考えます。また、少子・高齢化と人口減少という日本が構造的にかかえている問題点の表れでもあるのです。

平成21年08月06日 船井財産コンサルタンツ京都 財産コンサルタント 半田 哲哉


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